レンズを購入するときに必ず見るのがレンズのスペック表ですよね。
そのレンズの重さや長さからより詳細なスペックまでが記載されているので参考にしていない人は少ないと思います。
とは言え、正直何を表しているのかわからないといった方も多いのではないのでしょうか。
私もその一人でした。
ということで、今回は私が使用しているレンズを例にレンズのスペック表について見ていこうと思います。
使用しているレンズについて
私が使用しているレンズはTAMRONより発売されている「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」です。
2021年10月発売のレンズで希望小売価格は123,000円です。
レンズスペックについて
レンズスペックは以下のようになっていました。
画角 | 75°23′- 32°11′ |
レンズ構成 | 15群17枚 |
最短撮影距離 | 0.18m(WIDE)/0.38m(TELE) |
最大撮影倍率 | 1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE) |
フィルター径 | Φ67mm |
最大径 | Φ75.8mm |
長さ | 117.6mm |
質量 | 540g |
絞り羽根 | 9枚 (円形絞り) |
最小絞り | F22 |
標準付属品 | 花型フード、レンズキャップ |
対応マウント | SONY E マウント |
レンズスペックは上記の通りとなっていました。
さて、この表を見てもわかる箇所とさっぱりわからない箇所があると思います。
一つずつ解説していこうと思います。
画角
まずは一番上に記載されている画角についてです。
「75°23′- 32°11’」この数値を見ただけでは何を表しているのかよくわからないと思います。私もそうでした。
画角とはカメラのレンズがどれくらいの範囲の角度を映し出すのかといったものを表しています。
その角度の範囲を示しているものが「75°23′- 32°11’」となります。
このレンズはズームレンズで焦点距離が28mm~75mmです。
一番広角側の28mmの時に画角が75°23’、望遠側の75mmの時に32°11’という範囲で映し出されるということです。
では75°23’、32°11’が実際に何度なのかというところです。
「75°23’」を例に取っていきましょう。
75°、これは単純に75度を指しています。
その後の23’がよくわからないと思います。
23の後に付いている「’」ですが、これは1度よりも小さい角度を表す時に使い1度の1/60を表しています。
読み方は分です。
つまり23’は実際には23÷60=0.38°となります。
ということは75°23’は75.38°ということになります。
同様に32°11’を考えてみると32.18°となります。
画角の範囲である75°23′- 32°11’は75.38°~32.18°ということになります。
レンズ構成
二行目を見てみるとレンズ構成となっており、15群17枚と表記されています。
これは一体どういうことなのでしょうか?
レンズには光が通るとレンズ収差というものを生じる性質があります。
収差とは目で実際に物体を見たときに生じる歪みやずれのことを言います。
身近なもので言うと虫眼鏡が想像しやすいのではないでしょうか。
実際の目で見た時よりも虫眼眼を通して見た方がより歪んでものが見えていたことがあると思います。
これがレンズ収差です。
このレンズ収差をなるべく抑えるために各社ノウハウを駆使して、様々なレンズを組み合わせてカメラのレンズを作製しています。
そのためカメラのレンズはレンズ一枚ではなく複数枚から構成されています。
今回例に挙げたレンズでは15群17枚と記載されています。
17枚は17枚のレンズが使用されていることを示します。
群はグループのようなものを指します。15群と記載されているため15グループに分けられると言うことです。
2枚一組のものを群と呼びますが、1枚のみで構成されているものも群と呼びます。
15群17枚と言うことは、17枚のレンズが使用されており、15グループに分けられる。二枚一組のレンズがふたグループあることになります。
最短撮影距離
最短撮影距離の箇所には0.18m(WIDE)/0.38m(TELE)と記載されています。
これは一体どういうことなのでしょう。
まず0.18m(WIDE)からですが、これはWIDE端つまり一番広角側の時にどこまで被写体へ近づけるかといった距離を示しています。
今回のレンズでは0.18mと言うことですので、最も広角側の28mmの時に、被写体に18cmまで近づけると言うことです。
一方で0.38m(TELE) とありますが、これはTELE端、つまり一番望遠にしたときに被写体へ近づけるかという距離を示しています。
0.38mと言うことですので一番望遠側の75mmの時に38cmまで被写体へ近づけることを意味しています。
ではこの最短撮影距離はカメラのどの部分からの距離なのでしょうか。
それはカメラのセンサー部分からの距離です。
私は最短撮影距離はレンズの先端からの距離だと思っていましたが違いました。注意して覚えましょう。
最大撮影倍率
さて、お次は最大撮影倍率です。
その欄を見てみると「1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE)」と記載されています。
WIDEは一番広角側、TELEは一番望遠側のことを指しているのは上記にも書いてあります。
問題はその横の数値です。1:2.7や1:4.1とはどうゆうことなのでしょうか。
そもそも最大撮影倍率とは撮影最短距離で撮った時に、被写体の大きさが実物と比べてどのくらいの大きさで撮ることが出来るのかを表した数値のことです。
わかりやすくするため下にイメージ図を示して見ました。
最大撮影倍率は上の図が等倍の時。下が1/2倍の時です。
最大撮影倍率が等倍の時。
被写体であるフクロウが縦横1cm×1cmのサイズだとします。
倍率は等倍つまり1倍で映し出されるので実物と同じサイズのものが液晶に映し出されます。
最大撮影倍率が半分の1/2倍だった時はどうでしょうか。
被写体の大きさは1cm×1cmです。
しかしながら撮影倍率が半分のため0.5cm×0.5cm四方のフクロウが映し出されることになります。
大きさとして半分です。
では今回例に挙げているレンズではどうでしょうか。
1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE)と記載されていますね。
まず1:2.7(WIDE)です。
広角側で1:2.7つまり被写体の大きさに対して1/2.7倍の大きさで映し出されると言うことです。
1/2.7≒0.37
実物の0.37倍で映し出されます。
その次に記載されている1:4.1 (TELE)。
同様に考えると望遠がわで1:4.1つまり1/4.1倍の大きさで被写体を映し出すと言うことです。
1/4.1≒0.24
実物の0.24倍で映し出されると言うことですね。
フィルター径・最大径・長さ・質量
この4項目はなんとなくわかるかと思いますのでサクッといこうと思います。
まずはフィルター径についてです。
フィルター径はレンズの直径のことです。
Φ67mmとあるので直径67mmと言うことがわかります。
ちなみにこの数値はレンズプロテクターや他のフィルターを取り付ける際に必要となってきますので、自分の使用しているレンズのフィルター径は覚えておくと便利です。
その次の最大径とはレンズ自体の外周を表しています。
フィルター径とは異なるので注意しましょう。
長さはレンズの純粋な長さです。
レンズマウント最後部からレンズまでの長さを表しています。
重さはレンズの重量です。
絞り羽根
絞り羽根と円形絞りとは何なのでしょうか?
・絞り羽根
F値を大きくしたり小さくしたりするためにはレンズ内の絞りが関わってきます。
この絞りの穴ですが、羽根のような形をした金属板を何枚か組み合わせて構成されています。
つまり絞りの穴を構成するものが絞り羽根です。
そして今回のレンズでは絞り羽根枚数が9枚となっているため、9枚の板が使用されていると言うことになります。
レンズによってはこの絞り羽根の枚数が異なります。
そしてこの枚数は光芒の形に関わってきます。
絞り羽根の枚数が偶数枚(6枚、8枚など)の時はその枚数分だけの線が光芒として見えます。
絞り羽根が奇数枚の時はその枚数の2倍分の線が光芒として見えます。
今回のレンズでは絞り羽根の枚数は9枚なので
9×2=18本の光芒が見えることになります。
上の写真のように18本の光芒が出ているのがわかると思います。
対応マウント
カメラのボディにはマウントと呼ばれるものがあります。
レンズをはめる型のようなものだと思ってもらえれば良いかと思います。
ボディにはどのレンズでも装着できるわけではなく、そのマウントに適合したレンズしか装着することができません。
SONYのカメラのレンズマウントはEマウントと呼ばれるものなので、これに適合したものを装着する必要があります。
今回のレンズの対応マウントはSONY E マウントと記載されているのでSONYのカメラに使用できると言うことがわかります。
まとめ
レンズスペック表を見たときに、わからないなあと個人的に思っていたので今回はまとめて記事を書いて見ました。
色々調べながら書いていたのですが、わからなかったところがクリアになったかなあと思います。
少しでも疑問点の解消につながれば嬉しいです。
それではまた。